SHINくん初の主催イベント“SKULL HEADS SPEAKING”。
「音楽を奏でる者が平等にリスペクトを持った共演の場」をコンセプトに、様々なアーティストをジャンルの垣根を越えて迎え入れる対バンイベントだ。
その記念すべきvol.1が、先日行われたNANAのコンセプトワンマンLIVEであるvol.0と同様にSPACE ODDにて開催された。
SHINくんは今年に入ってから数ヶ月の間SPACE ODDに月1で籠城を始めるわけだが、この会場は駅から距離がある上に早い整理番号でないと待機が道路沿いになるため、特に冬場は天候が気になるところだ。
週間予報ではずっと傘マークが付いていたので気が気では無かったのだが、そこは晴れ男POWERなのか、冷たい北風こそ吹いていたものの、週間予報が嘘のように晴れ渡った1日だった。
そんな天気をも味方につけたSHINくんの気合いみなぎる初主催2マンに足を運んできたので、LIVEの様子と感想を書き記したい。
(尚、この日はかなりテンションが上がっていたため、若干記憶があやふやな箇所があることをあらかじめご容赦願います。)
渋谷/代官山 SPACE ODD(スペースオッド)
会場については下記に掲載済みなので詳細は割愛したい。
※ロッカーについての記述のみ前回会場を訪れた時と扱いが異なっていたため、一部加筆修正を加えています。
出演者
※出順通り
DIAWOLF
SHIN
(Special Guest Guiter:ヒロト(A9))
SET LIST
DIAWOLF
-SE-
01. rebellion
02. Fallen
-MC-
03. RUPTURE
04. UNCHAINDE
05. Everlasting Flavor
06. Afterglow
-MC-
07. IDIOT
08. INFERNO
-MC-
09. Turbulence
SHIN
-SE-
01. why not?
02. jack the ripper
-MC & メンバー紹介-
03. GLAMOROUS SKY
04. this is our way〜feat.ヒロト(A9)
05. on my way with innocent to 「U」
06. 9 deadly sins
07. Tragedy
08. 4444
09. paradox
10. Miss Lily
11. LUCY
12. restart
〜ENCORE〜
-MC-
enc. グラデーション(アリス九號.)〜feat.将 & 虎(A9)
〜WENCORE〜
Wenc. jack the ripper〜feat.ヒロト(A9)
LIVE REPORT & 感想
SHINくん初の主催2マンだからか、DIAWOLFさんとSHINくんという組み合わせのためか、はたまた単純にこの2組の集客力に対するキャパシティが小さいからなのかは分からないが、この公演のチケットは即SOLD OUT。一部入手出来なかったファンもいたようだ。
筆者のこの日の感想は大きく分けて2つ。
「演者がみんな楽しそうだからこちらもひたすら楽しかった」
「ステージ上のどこを見てもイケメンしかいない」
正直この2つでライブレポートを書き終えてもいいくらいなのだが(笑)、いくらなんでもそれでは酷過ぎるので、感想やMCをまとめたいと思う。
尚、記載したMCの覚書は例によって全てニュアンスで実際のMCとは異なるのでご了承願いたい。
DIAWOLF
客電が落ち、ステージ背面のLEDスクリーンに映し出されたスカル(ボルサリーノくんと言うらしい)がLIVEの注意事項等の場内アナウンスを始めた。おそらく今日も後ろでSHINくんがアナウンスをしたものをボイスチェンジャーで流しているのだろう。「退場措置を取らせていただきます」を「退場措置を取ら“し”ていただきます」などの言い回しがSHINくんだなぁ、と思った。おまけにこのボルサリーノくん(と言うかSHINくん)、ところどころブレス箇所がおかしい上に、多少噛む(笑)。噛んだ瞬間ボルサリーノくんだけ笑っていたが、案外場内は冷ややかだった(笑)。
「最初のACTはSHINの心のアニキ・SHOWさんとTORAさんのユニット、DIAWOLFさんです!渋谷、準備はいいか!?」
ボルサリーノくんの紹介で重厚かつエレクトロなSEが会場に響き始める。
トップバッターはDIAWOLFさん。
始動は2015年頃だったか、当時は将さんと虎さん(DIAWOLFではSHOW・TORAとローマ字表記らしい)が何か始めたな〜程度にしか認識が無かった。今回はSHINくん主催2マンの一発目なので楽しむためにもしっかり予習しようと、iTunesに入っていた楽曲は全て購入して聴いておいたのだが、『IDIOT / RUPTURE』のみ配信されていないようだったので予習しきれず。
A9に比べてグッとラウド色とメタル色が強めのサウンドなのだが、筆者は割とラウドロックが好きなので気に入ったと同時に、始動時から聴いておけば良かったと少し後悔した。
DIAWOLFさんのYouTubeも一通りチェックしたが、LIVE映像などの掲載は無いようでノリの感じまでは勉強出来なかった。今回のLIVEに参戦してみて空気感も分かったので、機会があれば是非またLIVEを見てみたい(そもそもあまりユニット自体が動いていないようなので、なかなか行けるタイミングがなさそうではあるが)。
この日はセンターにお立ち台が用意されていたのだが、そこに埋め込まれたプロンプターが目の前にあったためちょっと気になってしまった。DIAWOLFさんが動くのは1年ぶりとのことだったのでプロンプターがあるのも頷けるのだが、実際SHOWさんがプロンプターに視線を落とすことはほとんど無かったように思う。実際はお守り代わりであまり必要はないのだろう。
サポートメンバーはドラムにSHINバンドでもお馴染みのKEN'ICHIくん、ベースに摩天楼オペラの耀さん、DJにFumihiko Chibaさんという、ガチガチにテクニカルなメンバーを取り揃えている印象だ。一人ずつステージ上に現れ、TORAさん、最後にSHOWさんが姿を見せると一際大きな歓声が上がった。
まず印象的だったのが、会場の特性を活かしてのことかいつもそうなのかは分からないが、背面のLEDスクリーンにMVや楽曲に合わせた映像を流しながらパフォーマンスを繰り広げていていたこと。ステージングが一層鮮やかさを増し、とても良い演出だった。ただ見たいところが多すぎて、筆者はキョロキョロと忙しい人になってしまった(笑)。
そして特筆したいのが(どうでも良いのだけど…すごくどうでも良いのだけど…)SHOWさんめちゃくちゃ良い匂いがするんですけど…!!(※本当にどうでも良い)。
なぁ知ってるか…イケメンってな…良い匂いがするんだぜ…
そんな話はさておき(笑)DIAWOLFさんのライブレポートに戻るが、リード曲『rebellion』に始まり『Fallen』でジャンプをするなど、序盤からだいぶ飛ばしている印象のステージングに一気に会場は暖められた。
そして最初のMC。
将「SKULL HEADS SPEAKINGにお越しいただきありがとうございます。DIAWOLFです。SHINとはもう長い付き合いで本当の弟みたいに思っているんですけど、そんなSHIN主催イベントのvol.1に呼んで貰ってすごく光栄です!ありがとう!
DIAWOLFはA9というバンドのヴォーカルとギターのプロジェクトなんだけど、ちょっと…だいぶ、うるさめです(笑)。うるさめ、分かる?普段ヘドバンとか拳上げない人もSHINが出てくる前にウォーミングアップでやってほしいです。いいか!?やれるか!?まずは比較的おとなしいこの曲を聞いてもらおうかな。拳で来い!!」
おとなしいのに拳なのかとSHINくんのライブとのギャップを感じつつ(笑)、披露されたのは限定音源から『RUPTURE』。確かにDIAWOLFさんの楽曲の中では暴れるよりも聞かせる要素が強めで、明るいポップロックと言った印象だ。
続く『UNCHAINDE』は一気にラウド色が強まり、SHOWさんはシャウトを織り交ぜて歌唱。こうしてLIVEを体感してみると、DIAWOLFさんは全体的にベーシストとドラマーの力量がないと表現しきれない楽曲が多いように感じる。
その後エモいDJ ACTを挟んで『Everlasting Flavor』。音源で聴いていた時にも思ったのだが、クラブでかかっていそうなオシャレでかっこいい曲だ。
『Afterglow』を演奏してからのMC。
将「今日初めてDIAWOLFを見た人?結構いますね!SHINとは家族みたいものなので、良かったら最後までお付き合いください。今日はSHIN主催ということで、KEN'ICHIくんは実質ワンマンですよね?(笑)DIAWOLFとSHINの2マンって言ったら、KEN'ICHIワンマンじゃんって(笑)」
KEN'ICHIくんはいつも両方のプロジェクトのサポートドラムを担っているため、この日はSHOWさんの言う通り一人だけ実質ワンマン状態だ。
しかもゲネリハからこなし当日は転換も調整に出ずっぱりだったことを考えると、恐ろしい体力と集中力の持ち主なのでは。サポートメンバーもなかなかのハードワークだなと思った。
将「TORAさん、僕ら普段5人バンドですけど、今日はうるさい3人がいませんね(笑)」
虎「そう!サポートの3人はすごい物静かなんですよ。A9が頭おかしいんじゃねぇかって思ったよね(笑)。DJもさ、普通DJって言ったらチャラそうじゃん。最早DJって社長だし。でも見た目も中身も真面目!いつもパリピの前で回してんのに!(笑)」
将「ChibaさんはT2とか。あの、オシャレ過ぎて読めないクラブ。ウォ…ウーム?WOMB。ウォンブだと思ってた(笑)。あの、ダブリュー、オー、エム、ビーってクラブで回してる一流のDJさんですから。」
虎「みんなクラブには人生で一回くらい行った方がいいよ。普段ヴィジュアル系とか聴いてる人は行ったことないでしょ。」
将「そうだね、たまにはね。」
虎「うるさ過ぎて衝撃受けるから。今日もDIAWOLFやるの1年ぶりなんだけど、リハーサルでね、うるさいの。うるさいうるさい。もう耳が痛くて。自分で弾いてんだけどね(笑)。A9はもっと優しいじゃないですか。」
将「そうですね、僕たち優しいバンドです!(笑)」
虎「めちゃめちゃ優しいから!俺もやっぱさ、ステージの上に立ったらね、変わりたかったの。「GACKTです」みたいなね、あんな感じで言いたかったのに言えなかったの。最悪「まさしです」って本名言うしか無かったから(笑)。なぜこうなったのか(笑)」
将「言っちゃってる、本名言っちゃってる(笑)。虎さんの場合「天野」って名字も知れ渡ってますからね。」
虎「まぁ正直ね、「天野」は自信がある。「天野」は気に入ってる。ただ「まさし」だけは親を許せない!(笑)」
将「この顔に「まさし」!?って言う。エドワードとかね」
虎「仮にもだよ、アメリカの血がちょっと入ってるわけ。最悪トムだろ。結果「天野トム」は嫌だけどさ。最悪「ケビン」だよな。「まさし」はねぇよな!(笑)ちょうど昔『学校へ行こう!」って番組が流行ってて。ちょっと歳いってる人は分かると思うんだけど、「マサーシー」ってのがいて。だから学校へ行くたびに「マサーシー」って呼ばれるしさ。その後は田代まさしが捕まるし。それでようやく売れてきた芸人が、あの、なんだっけ、ほら、くまだまさしだから。「まさし」のイメージがちょっとな。だから良いイメージの「まさし」になりたいんだよ。俺が「まさし」のイメージを変えていきたい!」
将「今日ここにいる人は「まさし」と言ったら虎さんですよ。綺麗な「まさし」。身を削って本名をネタにして(笑)」
虎「親はね、せっかくつけた名前を「虎」に変えやがってと。」
将「あ、俺も「将」って本名じゃないんですけど、うちのオカン楽屋に来ると気を遣って俺のこと「将」って呼んでる気がする(笑)」
虎「あー、呼んでるね。うちのお母さん「お兄ちゃん」だわ(笑)。弟がいるから」
将「最早何の話でどうやってDIAWOLFに戻ったら良いのか分からないんだけど(笑)」
虎「もう良いんじゃないっすか、今日は(笑)。でもさ、ずるいよな!SHINくんって弟分がいてさ。俺そういうのいないじゃん」
将「え、いっぱいい過ぎるんじゃない?」
虎「いやいやいや、いないっすよ。そんな「俺、虎さんの真似して身体大きくなってみました!」みたいなのいないから」
将「いやいやいやいやいやいや(笑)、それ逆に失礼だろ!(笑)」
虎「俺に憧れて、みたいな。聞いたこと無い。良く怖いとは言われるんですけどね、俺別に怖くないですけどね」
将「見た目はね、タトゥーとかがね」
虎「え、見た目怖いっすか?怖くないよね?コワクナイヨネー」
将「(笑)むしろ可愛いよね。」
微妙に「怖い」と「怖くない」が混在するオーディエンスの声(笑)。
将「あの、今日結構持ち時間たくさんあるんですよ。で、この後盛り上がっていく感じなんだけど、僕らサークルモッシュっていう謎のノリがあるんですよ。その説明をしたいので、その辺を空けてもらっても良いですか?ちょっと詰めて空けてもらって、で、そこを、この方向に。これ何回り?時計回り?わかんない、逆?教えて、誰か(笑)。わかんないけど、こう言う感じでちょっと回ってみて欲しいの。分かる?音ないと出来ないかな?音楽かけて練習してみよっか!」
虎「え、それ次の曲じゃないけど(笑)」
将「ここしか伝えるタイミングなくて。じゃあ、DJさんちょっと音流してもらって。この謎の音楽が流れるんだけど…音ちっちゃくね?まぁいいや(笑)。で、バンドが入るから回ってもらって、そうそうそうそう、はい、ありがとう。そしてみんなマナーがいいから元の位置に戻ってくって言う(笑)。こんなノリの曲もあるんで、そんな感じでいけそうですか!?いけるかー!いけるかー!!」
サークルモッシュの練習からLIVEの続きへ。
あの自虐的な「まさし」の流れから良く話を引き戻したものだ(笑)。
『IDIOT』を挟んで、「さぁ、この時間がやってきました!」と練習した『INFERNO』のサークルモッシュ。SHOWさんは回って欲しくて仕方がないんだな、と思った(笑)。筆者は結構ロキノンも好きで昔ワンオクのハコへ行っていたのでサークルと言うとあれくらいガツンとしたものを想像してしまうのだけれど、オーディエンスは女の子ばかりな上にイントロで少し回る程度なのでそれほど激しくはないかと(振り返らないとモッシュピットが見えなかったのでちゃんと確認していないが)。普段サークルなんてしないSHINくんファンも楽しめる程度だったのでは。しかし回るには随分とテンポが速い曲のように感じた。
最近体力が落ちてロキノンのLIVEへ行ってもサークルに混ざることはなくなったので、またDIAWOLFさんのLIVEに参戦する機会があれば是非混ざりたい。
最後のMC。
将「パンパンなのに我儘に付き合ってくれてどうもありがとうございました。DIAWOLFを作ってからA9でも色々なことがあってなかなか活動が出来なくて、今日は1年ぶりなんですけどこうやって仲間が力を貸してくれました。耀くんも来月からワンマンツアーがあって忙しいのに、力を貸してくれてありがとう。
SHINは前のバンドが終わってしまったんだけど。それでもこうやって今、定期的にSHINの歌が聴けているだけで俺は嬉しいし。それだけでも嬉しいのに、こうして俺たちを一緒のステージに上げてくれてね、俺たちは本当に幸せ者だと思います。みんなにも今日を最高の一日にして欲しいです。いいですか!もっと声を聞かせてくれよ!!そんなんじゃSHINまで聴こえねぇだろ!!2階!!アクリルに挟まれてるけど届いてるか!?次はタオルの曲です。みんなSHINのタオル持ってるでしょ?SHINのタオル回して!もしなかったらマスク回してください(笑)。“SKULL HEADS SPEAKING”本当にありがとうございました。最後の曲です。」
ラストはタオル曲の『Turbulence』で締めくくり。途中でSHINくんのグッズのボルサリーノくんタオルが届いて、SHOWさんはそれを広げてまじまじと見た後ブンブン振り回してパフォーマンス。ボルサリーノくんに一体何を思ったのだろう(笑)。
あっという間のDIAWOLFさんのステージだったが、1年ぶりに集まったとは思えないグルーヴ感がかっこよくて、LIVEがあれば是非行ってみたいと思える時間だった。
SHIN
いつも転換時は暇で暇で仕方が無いのだが、 この日は珍しく幕が掛からなかったので、ステージ上のセッティングのざわつきを興味深く見ていた。
そう言えば前回のワンマンでこの会場はステージが低く、後方からはほぼ演者が見えないという声が上がったためかセンターにお立ち台が用意されていたのだが、転換時にはギターとベースのステージ最前方にも瓶ビールケースを逆さまにしたようなお立ち台がセットされていた。下手の台をステージの前ギリギリの位置で合わせているのを見たマネージャーさんが「(落ちそうで)前が恐いから」と数センチ下げて黒テープで固定していたのだが、ふと上手を見るとギリギリの位置で固定されていた。あちらは危なく無いのだろうか(笑)。
また、A4サイズの紙がSHINくんの右足下に貼り付けられ、何かと思ったら「後ろからも見えてるか確認すること」というようなことが黒マジックで走り書きされていた。恐らく上記の会場の構造問題を踏まえたSHINくん用のカンペだろう。
ちなみにその上に「将さん、とらさん」と書かれていて(それが何のためのカンペかは分からないのだが)、虎さんは平仮名なのねというなんとも我が子を見るような微笑ましい(?)気持ちになったのはここだけの話。いや、SHINくんが書いたのかは分からないが(笑)。
各パートの音出しチェックは、YOUSAYくんのギターとSHINくんのマイクチェックこそスタッフさんが行っていたが、MiroくんとKEN'ICHIくんのチェックは本人が行なっていてそれも意外だったし見ていて飽きなかった。しかしPAさん(?)からの「ゲストギターの音ください」という指示で、ゲストギターが入るんだな…と分かってしまったのはご愛嬌か。もっともこの時は虎さんかな?と思っていたが。
転換が終了し、鐘の音と共に再びLEDスクリーンにボルサリーノくんが映し出される。
「申し遅れましたが、わたくしボルサリーノと申します。あ、ありがとうございます、早速名前を呼んでいただいて(※誰も呼んでいない。笑)。今後はボル様、ボルサリーノ様、好きなように呼んでください。」
ボルサリーノくんは「様」なのね、イマイチ立ち位置が分からないわね、と思ったところでボルサリーノ様がSHINくんの呼び込み用の紹介を始めた。裏ではSHINくんが自分で自分の紹介をしているのかと思うとなんとも面白い(笑)。
ボルサリーノ様の煽りが終わると、GLAMOROUS SHOW 2019と同じSEが流れる。今年はこのファンキーなラップ混じり(?)のSEを使用するのだろう。昨年使用していた『Stay Tuned』とは随分印象の違うSEだ。
『why not?』に始まり、相棒のストラト片手に『jack the ripper』というお馴染みの流れでSHINくんのステージが幕を開ける。jackは曲入りのギターボーカルソロ部分をカットしたバージョンだ。あのギターボーカルソロがお気に入りなのだが、最近なかなか聴けるチャンスが少ないのが悲しい。
SHINくんのストラトにはこの日発売されたグッズのシールがペタペタと貼られ、ポップで可愛らしい仕上がりになっていた。
YOUSAYくんのギターによるバックミュージックに合わせた最初のMC。
「みなさんこんばんは、SHINです。後ろもちゃんと見えてる?(お立ち台に乗って)見えてるかー?今日は初めてのSHIN主催LIVE、“SKULL HEADS SPEAKING”に集まってくれてありがとうございます!」
「1st ACTのDIAWOLFさんは、最初は僕のただの憧れの人たちでした。それから同じ事務所に入ったけど事務所がバラバラになって、だけど今でもこうやって同じステージに立ってくれる将さん、虎さん、そしてサポートしてくれるメンバー、みんなに本当に感謝しています。ありがとうございます。そして見に来てくれるファンの方もありがとうございます。」
「俺のMCって言うといつも固めなんだけど、今日虎さんめっちゃウケてたじゃん。あれジェラスったんだよね(笑)。だから俺もちょっと小噺をします。えっと、タトゥー入ってないんですけど、実はタトゥーに憧れてて。なぜタトゥーを入れてないかと言うと、うちのおばあちゃんが「タトゥーだけはいけねぇ」って(笑)。で、聞いてみました。「おばあちゃん。おばあちゃんの顔のタトゥー入れたらどう?」おばあちゃん、30秒くらい考えた後に言いました。「いけねぇ」(絶妙なタイミングでYOUSAYくんがギターを止める)」
(会場大爆笑)
「いやー、YOUSAYいい仕事するわー(笑)。」
しかしおばあちゃんの顔のタトゥーとは一体(笑)。それでGOサインが出たら入れるつもりだったんだろうか…
「サポートメンバーを紹介させてください。ベース、Miroくん。ギター、YOUSAY。そして今日一番疲れてると思うけど、めちゃくちゃ熱いドラムを叩いてくれると思います、ドラム、KEN'ICHIくん。」
今まで対バンではサポートメンバーの紹介をしてこなかったので、せっかく同じステージに立ってくれているのだからした方がいいのになぁと思っていたのだが、今回しっかりメンバー紹介をしていて非常に好感を持った。
「俺が前やってたのは大きいバンドだったけど…自分で大きいって言ったらアレだけど、でも今の俺からしたら大きいバンドでした。俺は今ソロをやってるけど、1人とか5人とか関係なくて、何かしらは絶対にあのバンドを超えてやろうって思ってます。よろしくお願いします。」
筆者は前のバンドからのファンだが、これは今までに聞いたことがない嬉しい宣言だった。以前の活動を超える。それくらいの勢いで活動して欲しいと思っていたからだ。
「今月から毎月大好きな人たち、尊敬する人たち、そんな音楽がかっこ良くて生き方もかっこ良くて尊敬出来る人たちとLIVEをしていきます。そして今年は絶対O-EASTを埋めて、EX THEATERに帰ります!次はみんなで楽しめる曲を用意しました。聴いてください、『GLAMOROUS SKY』」
オーディエンスとの合唱も楽しむ『GLAMOROUS SKY』。MCの決意が込められているような歌声が会場に響き渡る。
そしてお馴染み、『this is our way』の掛け合いの時間だ。
「みんな楽しんでるかー?2階楽しんでるか?後ろ楽しんでるか?真ん中楽しんでるか?前楽しんでるか?ここでスペシャルゲストを呼びたいと思います!!A9、ギターのヒロトさんです!!」
SHINくんの呼び込みに真っ赤なオーバーサイズシャツに身を包んだヒロトさんが颯爽とステージに登場し、悲鳴に近い歓声が上がる。セッティング時に「ゲストギター」と言っていたのは虎さんではなく、まさかのA9の上手ギタリスト・ヒロトさんだったのだ。
そしてヒロトさんの唸るようなギターに乗せて、今までにないエモーショナル『this is our way』の掛け合いが始まる。
SHINくんの口からは前回からお馴染みの「2階!ガラス突き破ってこい!!」の煽りも飛び出すなど絶好調だ(筆者はこの煽りがとてもお気に入りである。笑)。
聴き慣れた『this is our way』がヒロトさんのギターで一層華やかに色づく。Cメロは全く違う曲のようなアレンジだ。センターのお立ち台に乗ったSHINくんとヒロトさんが肩を寄せ合い、今にもキスでもするのでは!?と思うくらい顔を近づけて熱いパフォーマンスを繰り広げた。曲終わりにはヒロトさんがSHINくんの手の甲にキスをし、SHINくんもヒロトさんの手の甲にキスのお返しをする。最高潮に湧き上がったオーディエンスの声を背中に受けながら、ヒロトさんがステージを後にした。
『9 deadly sins』を挟んで世界観を一転させ、この日に配信が開始された新曲『Tragedy』を初披露。実力派コンポーザーである宮﨑歩さんに直談判してして作っていただいたと言う、聴けば聴くほど深く心に残る、いわゆる「スルメ曲」だ。SHINくんはマイクスタンドに身を預けながら強い瞳でこの「悲劇」を歌い上げる。サビで一気に激しくなる曲調が音源で聞いていたよりもライブ栄えする印象を受けた。サビのベースラインと派手なシンバルが楽曲の悲劇の物語をよりドラマティックに演出する。
そして大きな旗を高く振り翳し『4444』へ。「簡単だ!手ぇ叩け!!」と煽り、旗を担いでアクティブに動きながら楽曲を演出する姿は、いつも以上にテンションが高そうに見えた。
続く『paradox』では間奏でKEN'ICHIくんがまさかの2小節ほどすっ飛ばす事態が発生。全員がKEN'ICHIくんをチラッと見るが時すでに遅し。一瞬演奏がぐちゃっとなったが、SHINくんがほぼ演奏を無視して続きを歌い出し、全員が上手いことそこに合わせて難を乗り越えるという、なんともスリリングな瞬間だった。もっとも普段SHINくんの楽曲をライトにしか聴いていない友人2人はそんなすっ飛ばしには気付かなかったらしいので、筆者が感じたほどにはグチャっとしていなかったのかも知れない。
余談だが、なんとか曲が纏まった時にKEN'ICHIくんがYOUSAYくんに笑いながらペロっと舌を出していたのがなんとも可愛らしかった(笑)。
タオル曲『Miss Lily』ではSHOWさんの真似をし、「タオルない人はマスク回して!」とマスク回しを推奨(笑)。SHINくんが「今日ずっと叩いているケンちゃんが、最高に熱いドラミング見せてくれるってよ!!」と煽ったのが、さっきのミスのさり気ないフォローなのかな?と思った。
2階からはヒロトさんがお酒(?)を飲みながらスマートフォンでステージの動画を撮ったりノリノリにノってみたりとSHINくんのLIVEを楽しんでいて、そんなヒロトさんに気付いてSHINくんも指をさしたり煽ったり。そういった仲の良さ、絆の深さが垣間見えるのもファンには嬉しい光景だ。
最高潮に盛り上がった会場をさらに引っ張り上げるように、前回のワンマンで初披露された土屋アンナさんの『LUCY』で畳みかける。この曲もLIVEではレギュラーナンバーになりそうだ。イントロや間奏のジャンプ、Bメロのワイパーなど、前回のLIVEを踏まえて若干勉強しておいたのが役立った。前回同様SHINくんがYOUSAYくんの名前を呼び、ギターソロを盛り上げるのも見ていて楽しい。
そしてラストに『restart』で会場をひとつにまとめ、本編を締めくくった。
アンコール前、スタッフさんがSHINくんの左足下に何か紙を貼って行ったので、アンコールはA9さんの楽曲かも?と思いつつ、なぜ彼はプロンプターを使わないのだろう?と少しの疑問(笑)。やはりアナログ人間ということか。
アンコールの声に応え、ボルサリーノTシャツに衣装チェンジしたSHINバンドが再びステージに登場。
アンコールのMCより。
「アンコールありがとうございます。やっぱりLIVEやらなきゃダメだな、今までLIVE少なくてごめんね。今日は本当に楽しかったです、ありがとう。主催やって良かった!ソロは色々な壁があるけど、こうやって親身になって協力してくれるバンドメンバーもいるし、昔から変わらない絆でいてくれる将さん、虎さん、ヒロトさん。そして、ファンのみんなもいるし。心から感謝しています。ありがとうございます。」
「アンコールはどうしてもやらせて欲しいってお願いして、俺が“バン・ギャル男”になったきっかけの曲をやらせていただきます。これを聴いて将さんを大好きになって、身振り、手振り、素振り、全部真似しました。将さんアー写でハット被ってたじゃん、俺あれ真似して被ってたもん(笑)。今でも将さんは俺のこと家族みたいって言ってくれるし、虎さんも本当に良い人で…最初虎さん怖かったんだけど(笑)。事務所が一緒だった時は「なんだお前」とか言われるかなって。でも全然そんなことなくて。会うたびにお兄ちゃんみたいに接してくれる、そんな存在です。俺、今からただのキッズになるから(笑)。それでは聴いてください、『グラデーション』」
アンコールはSHINくんが“ギャ男”になったきっかけの曲、アリス九號.さんの『グラデーション』を披露。お立ち台で嬉々としてフリをする姿はまさしくキッズそのもの(アリスギャさんによると、ステージ上だと向かって鏡になるのでフリが逆の手だったそう。そんなおっちょこちょいなところも可愛い。笑)。
SHINくんのTwitterにこの曲の映像がUPされている。
このアンコールの瞬間は完全にA9のSHINでした#グラデーション pic.twitter.com/m6IZ4rhgBt
— SHIN (@SHIN_20161224) February 24, 2019
そして2番の前で将さんと虎さんを呼び込み、2人がステージに登場すると一層オーディエンスが湧き上がる。将さんとSHINくんが並んで懐かしい曲のフリをするという非常に珍しい光景だ。憧れの人と肩を並べて『グラデーション』を歌うSHINくんの顔は緩みっぱなし(笑)。
曲を終えると将さんはSHINくんの右おでこにキスのプレゼントをし、会場にはオーディエンスの悲鳴のような絶叫が響き渡る。不意打ちのキスにしばらく固まり大きく目を見開きながら小さくカタカタと震えていたSHINくんだったが、子犬のような表情をしたかと思えば将さんに抱きつき(と言うか、飛びついた感じ。笑)、ぎゅっとハグをし合う2人の姿に再びオーディエンスからは絶叫の嵐。こう言う男の友情みたいなものは多分女性にはあまり無い感情で、少し羨ましく思う。本当に仲の良さそうな2人の姿を見て、心がほっこりと暖かくなった。
アンコールを終えて全員ステージを後にしたが、再びアンコールの声が湧き上がり大きくなる。最高の時間に「おかわり」が止まらないオーディエンスに、なんと再びSHINバンドが姿を現してダブルアンコールに応えてくれる大サービスだ。
「おい、東京!欲しがりだな。マジで予定になかったけど、もう一曲いいですか?」
SHINくんの後ろではヒロトさんの赤いオーバーサイズシャツを着たYOUSAYくんが、ヒロトさんさながらにギターを持ってイナバウアーを披露(笑)。そんなYOUSAYくんもA9キッズのひとりだ。
「何やろうかな。ブチ上げる感じで行くか!」
YOUSAYくん、反りながらギターギュイ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ン!!
「YOUSAYにヒロトさんが乗り移った!(笑)」
YOUSAYくん、反りながらギターギュイ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ン!!
「ヒロトさんだ(笑)。ヒロトさんの魂が乗り移ってる(笑)。俺も将さんが乗り移った!あの王子感が!」
お立ち台に上がり、右手をまっすぐ横に出して将さんポーズを取るSHINくん(笑)。
「星になれんのか、TOKYO!」
キメキメの表情で将さんの真似をするSHINくん。最早ステージ上もフロアも異様な盛り上がりで収拾がつかない状態に(笑)。そしてSHINくん、
「見た目は知らんよ、見た目は知らんけど、俺の精神は多分王子ではない(笑)」
見た目は王子だと思ってるんですね。
そんなこんなでわちゃわちゃしていると、なんとヒロトさんがギター片手にステージに登場したではないか。
SHINくんは振り返って驚いた表情を浮かべながら、
「あれっ!?ヒロトさんが2人に見える!!」
ととぼける。こちらからもそう見えます(笑)。
「みんな、アンコールやるからさ、本当にTwitterフォローして(笑)。Twitter消しちゃったからさ。」
(上手でヒロトさんとYOUSAYくんがわちゃわちゃ)
「いっぱい歌聴いて欲しいんだ。単純にそれだけ。俺は正直イキってた。あの、バンド……」
(上手でヒロトさんとYOUSAYくんがわちゃわちゃ)
「(笑)……もういいや(笑)。ぶち上げます。俺も3月14日までLIVEないんで、声枯らします。呼び戻したからにはいけんだろうな!?後ろいいか!?真ん中いけんのか!?前いいか!?ラスト、『jack the ripper』!!」
いきみ叫ぶような歌声と力強いバンドサウンドが会場を震わせる。オーディエンスも最大級のオイコールで演者に応え、爆音の『jack the ripper』がSPACE ODDを包み込んだ。まるで叫び声のようなSHINくんの歌声が脳内に突き刺さるような時間だった。
こうしてアーティストもオーディエンスもまさに「やりきった」という表情を浮かべ、HOME感満載のSHINくん初の主催LIVEは幕を閉じた。
さいごに
SHINくん初の主催2マンイベントは誰が見ても大成功と言って間違いないだろう。
前回のワンマンを踏まえて会場のマイナス面を補うホスピタリティも素晴らしかったし、何より演者が心から楽しそうで、それに引っ張られるようにオーディエンスに笑顔の連鎖が生まれていたように思う。
1st ACTを誰にお願いするかは難しい選択だったかもしれないが、今のSHINくんを形成してきたキーマンのひとりである将さんを迎い入れたことは本当にベストの選択だったなと実感した。
筆者の主観ではあるが、たくさんのSHINくんのLIVEステージを見届けてきた中でも5本の指に入るほど印象が強いLIVEとなった。
この良い空気感をそのままに、これから毎月行われる主催LIVE“SKULL HEADS SPEAKING”が大成功の連鎖になることを期待したい。
この日に配られたSHINくん直筆のフライヤーをご紹介。
最後にLIVE後のSHINくんのTwitterより。
SKULL HEADS SPEAKING vol.1
— SHIN (@SHIN_20161224) February 23, 2019
本当にありがとうございましたDIAWOLFさんそして飛び入りで出演してくださったヒロトさんと会場の皆様とだからこそ創れた空間だったと思います😭
幸せすぎたよ。
いつでも待ってるぜえ‼️ pic.twitter.com/p3aeJIcgS4
ここまで読んでくださったみなさま、ありがとうございました。
尚、全て一個人の曖昧な記憶であり、事実と異なる部分や勝手に記憶が脚色された箇所、個人的解釈による記述もあるかも知れませんが、どうかご了承くださいませ。
また、あくまで個人的感想によるものですので、感想や考え方の相違について異論や誹謗は受け付けておりませんことをご承知置き願います。
♥ SHIN2019年一発目!NANAコンセプトワンマン“SKULL HEADS SPEAKING”のライブレポートはコチラ ♥