音楽好きにとって夏の風物詩と言えば「野外+音楽+お酒=夏フェス」。
前回SHINくんが出演した「H.I.P. presents GROWIN' UP vol.1」で言っていた“夢が叶ったライブ”とは、まさにこの“夏フェス”のことだ。
SHINくん初となる青空の下でのパフォーマンスを目撃するべく、暑いのが大の苦手な冬生まれの筆者も決死の覚悟(※大袈裟。笑)で足を運んだ。
※尚、今回のライブレポートはフェスであるもののSHINくんメインで書いており、また全てのステージを見ていないため、他の出演者様の情報がほぼ無いことをご承知置き願いたい。
- 『Fight!』〜FOOD×ENTERTAINMENT BATTLE in お台場って?
- 出演者(COOL MUSIC DAY)
- SET LIST(SHIN)
- LIVE REPORT & 感想
- さいごに
『Fight!』〜FOOD×ENTERTAINMENT BATTLE in お台場って?
「食フェス×エンターテイメントバトル」と銘打った、2018年が初開催の夏フェス。
等身大ガンダムで有名なダイバーシティお台場前のシンボルプロムナード公園で開催された。
『Fight!』では、「戦い」「挑戦」「応援」を軸に、10日間のイベントを通して世界が注目する「かっこいい日本(クールジャパン)」、日本各地の「和」「食」「音」の文化と「おもてなし」の魅力を国内外に発信。
様々なジャンルの真剣勝負をお届けし、日本がもつ新旧の魅力的なコンテンツに触れてもらい、日本や世界で活躍できる新たな人材を発掘し、
チャレンジャーたちの本気の戦いを通して人々に影響を与える、空間を提供する場所として、人々の記憶にも心にも残る、、、新しいイベント「Fight!」を開催いたします。
無料エリアでは様々な飲食店が出店を行っているので“フェス飯”やお酒を楽しむことが出来、有料エリアでは音楽やファッションショーをはじめ格闘技など、多方面のエンターテイメントが楽しめる混合型の夏フェスだ。
ただ、今年の尋常ではない暑さのせいなのか、はたまた近くで某テレビ局がイベントを行っているので知名度を含めた影響なのか、集客力はいまひとつ。
すぐ近くにエアコンの効いたダイバーシティのフードコートもあるため、無料エリアで一般客を引き込むのも一苦労のようだった。
また、主催や企画制作はどこが手掛けているのか調べたところ株式会社MARVELLOUS LABOという企業の名前があり、会社概要を見るとエンターテイメント業界に精通しているわけではなさそうだったので、集客が少なかった大きな理由のひとつとして広報が弱かったのではないかと思う。
来年以降も開催されるかは不明だが、会場スタッフが明るく元気にフェスを盛り上げようと尽力しており、非常に良い雰囲気のイベントになっていたので、今後も応援したい。
有料エリア
日陰ひとつ無い広場に設けられた有料エリア。テントなどで仕切られ、無料エリアからはうまいこと中が見えないようになっていた。
入り口テントで荷物検査をし、リストバンドを着けて中へ。再入場口と出口は入り口とは違う場所に作られているのだが、荷物検査は最初の入場時しか行わないのが謎。必要なのであれば再入場時もチェックしないと意味が無いように思う。
キャパシティは不明だが、後方まで使えば1,000人以上収容可能か。
ステージは中央部に小さいながらも花道があり、最前列の柵は凹型。センターにあたるくぼみ部分の最前列は13人程度が入れたと思う。
左右に大きなスクリーンが用意され、ステージの様子が映し出されるようになっていた。
エリア内でイベントスタッフさんが飲み物を売りに来ていたので、炎天下でもなんとか脱水症状は防げるだろう。
尚、この日はチケット購入者に公式が出店しているかき氷の無料引換券がプレゼントされ、ライブを楽しんだ後に身体を冷やすのにとても良いサービスだった。
出演者(COOL MUSIC DAY)
※出順通り
Bentham
TEAM LIGHTS
SHIN
ET-KING
ASH DA HERO
ZYUN.
岸洋佑
シシド・カフカ
Mr.Q feat.いとうせいこう
SET LIST(SHIN)
01.jack the ripper
02.GLAMOROUS SKY
03.on my way with innocent to「U」
04.paradox
-MC-
05.this is our way
LIVE REPORT & 感想
今年の夏は過去に例がないほど暑く、この日も東京の最高気温は34℃。
フェス会場の足元はアスファルトだったので、照り返しを考えると地表近くは38℃くらいあったのではないだろうか。
暑いと言うよりも突き刺さるような「痛さ」を感じる日差しで、晴れ男も此処まで来ると狂気だな、と思った。
そんな中、お目当てのSHINくんの出番はよりによって一番暑いであろう午後1時40分から。
“三度の飯よりSHINが好き”な筆者もさすがにこれには撃沈で、沢山のアーティストを観たかったのだが早々に退散してしまった。まともにパフォーマンスを見たのはSHINくん、ASH DA HERO、シシド・カフカさんの3組のみだ。
それはこの日のチケットを持っていた多くの来場者も同じだったのだろう。集客はどのアーティストもいまひとつの印象で、お目当ての前に有料エリアへ入り、終われば早々に会場を後にしていた。
もう少し過ごしやすい気候ならもっと多くの人にSHINくんのステージを見てもらえたのかも知れないと思うと残念でならないが、さすがにあの炎天下でライブを見続けるのは自殺行為と言わざるを得ない。
SHIN
この日は3番手として登場。
サポートメンバーはいつも通りギターにYOUSAYくん、ベースにMiroくん、ドラムにKEN'ICHIくんの3人。ライブ前のセットチェンジでKEN'ICHIくんのシンバルが風に煽られた時はヒヤっとしたが、灼熱の太陽の下で誰も倒れることなく最後までステージをこなした。
ステージに姿を見せたSHINくんの衣装はグレーのオーバーサイズTシャツ、ダメージデニム、ウエストには黄色いチェックのシャツを腰巻きにし、カジュアルなフェススタイルだ。
アルバムのリリース時には真っ黒に染められていた髪の毛も色が落ちたのかアッシュがかった茶髪になり、気合い十分と言った表情を覗かせながらギターを手に取る姿を見て、思っていた以上に青空が似合っていると感じた。
各出演者のライブステージが始まる前にはフェス公式で用意したSEが流れるためか、この日はいつものような登場OPENING SEはなく、ステージにスタンバイした状態でライブがスタート。
SEが流れ終わった瞬間、ギター片手に勢い良く振り返りステージ前方へ歩みを進めようとしたSHINくんだったが、思ったよりもマイクスタンドがすぐ近くにあったのか、早速マイクに突っ込んで苦笑いを浮かべる(笑)。
こういうところがSHINくんなんだよな~と、早速ほっこりした。
「ヘイ、お台場~!!ブチ上げる準備は良いか!?拳上げろ!!」
叫ぶような声に合わせて『jack the ripper』の前奏が始まる。今日も頭の弾き語りによる歌い出し部分を飛ばし、イントロの演奏からの幕開けだ。
以前にフェスの一曲目は『this is our way』にしようと思っていると言っていたが、どう考えても『jack the ripper』のような疾走感のあるナンバーが良いと思っていたので、大満足の選曲にテンションが上がる。
「はじめまして、お台場!SHINです!!今日はフェスと言うことで、俺のファンじゃない人も楽しめる曲を用意しました。聴いてください、『GLAMOROUS SKY』」
さすがの曲の知名度か、タイトルコールにオーディエンスから感嘆の声が漏れる。
SHINくんのギターの音色と歌声が青空の下に響き渡り、会場はハンズクラップで応える。前回のライブから自身のギターのボリュームを上げたと言っていたが、それはこの日も健在だ。幸せを噛み締めるような笑顔でギターを弾きながら歌う姿がキラキラしていてとても素敵だった。
「まだまだ行けるか、お台場!!今日は新曲持ってきました!!」
相棒のStratocasterを肩から下ろし、マイクを片手にオイコールを促しながら花道に歩みを進める。新曲『on my way with innocent to「U」』の初披露だ。MUSIC VIDEOではギター片手にパフォーマンスをしているが、ライブではギターとは離れてオーディエンスに語りかけるように歌い歩く。ひとりひとりの表情を確かめながら、変形ステージを隅々まで動き回っていた。
身体を反らせながら歌うと、一層Tシャツに汗が滲む。背中も胸板の下も珍しくビショ濡れだ。
初披露のためか、歌詞がところどころあやしかったのはご愛嬌か(笑)。
「バテんじゃねぇぞ!!」と、間髪入れずに『paradox』でジャンプを促す。灼熱の中一斉にジャンプをするオーディエンスに、SHINくんも大きく動きながらパフォーマンスを続ける。
始まる前はただ立っているだけでも暑くてとても動けないと思っていたのに、好きな音楽が鳴り響くと不思議と身体を揺らせるのだから、人間と言うのは全く不思議な生き物だ。
「ラストー!!」
ついさっき始まったばかりだと言うのに、あっという間の最終通告。一斉に「えー!!」と言う落胆の叫びが湧き上がる。
SHINくんは再びStratocasterを手に取り、サポートメンバーの演奏に合わせて短いMCを始めた。(※以下、ニュアンスです)
「お台場、元気?バテてない??暑くてぶっ倒れそうだけど、みんなが倒れてないから俺も倒れない!(笑)
前にViViDってバンドやってたんですけど、ソロになって初めての、人生で、日本で初めての野外フェスです!!
ずっと、野外フェスに出たいっていうのが僕の夢でした。それを叶えてくれた主催者さんたち、暑い中集まってくれたここにいるみんなにも感謝しています。どうもありがとう!」
「わたくしごとですが、もうすぐツアーが始まります。初日が9月4日、恵比寿リキッドルームです。そこでみんなと叶える夢の一歩をみんなに直接伝えたい。ド平日の火曜日なんだけど、チケットが残り21枚です。あと21枚なんだよ。だから今日、俺のこと知らねぇヤツを21人ファンにすれば良いかなと思って!!(笑)よろしく!!」
「この後もホントに良いアーティストさんたちがいるんで、最後まで具合悪くならないように楽しんでいってください。ラスト、みんなで歌える曲持ってきました!全員で歌ってください!!」
『this is our way』の大合唱が始まる。
「もっといけるだろ!!」「俺ハモるからそのまま!!」と、オーディエンスの合唱を誘導しながらウォーウォーウォーウォーの掛け合いを続けるSHINくん。
「まさに今日みたいな、夢が叶った日にピッタリな曲です。ラスト聴いてください、『this is our way』」
まっすぐな視線でまさに“夢の一歩”を見つめながら歌う姿は「カッコイイ」の一言。勿論彼はルックスもカッコイイ。でも、この日のかっこよさはルックス云々ではなく、彼の生き様の総てがこの曲に鏡のように映し出されているのが感じられ、それがミュージシャンとしてカッコイイのだ。
天井の無い広い空間に手を掲げ、心をひとつにして合唱を続けるオーディエンスの声を全身で受け止めながら、夢だった野外フェスのステージで、夢だったギターヴォーカルとして立つ彼を、ファンとして誇りに思った。
「ここで会えたのも何かの奇跡だと思うし、絶対良い夢見せるんで、リキッドルームで待ってます。ありがとうございました、SHINでした。」
隅々まで丁寧に「ありがとう、ありがとう」とお礼を言い歩いてステージを後にしたSHINくん。
短い時間だったが、彼の夢がひとつ叶った、その場に居れたことも幸せだと感じたし、野外がこんなに似合うのかと新たな発見もあったので、足を運んで本当に良かったと思う。
ASH DA HERO
少し休んで、午後3時50分から5番手であるASH DA HEROのステージに足を運んだ。
過去何度かSHINくんと同じステージに立っていたので拝見する機会があったのだが、そのパワフルな歌声とアグレッシヴなパフォーマンス、溢れ出るロック魂にすっかり心を掴まれてしまい、こうして対バン相手に名前があると楽しみに思うアーティストのひとりだ。
彼の“イズム”はこの日も健在で、「みんな暑い中待っててくれてるんだから、本編が始まるまでリクエスト募って歌います!」と、ステージ転換の時間を利用して公開リハーサル。
サザンやBon Joviなど偉大なミュージシャンのHITナンバーを歌い、挙句ステージから降りて歌いながら握手して歩くなど、驚きのホスピタリティだった。
ライブ本編も勿論ASHらしさ全開。
「客とかスタッフとかバイトとかそんなん関係ねぇ!!おい、スタッフ!!バイトもだ!!お前らも前に来い!!音楽が好きで、音楽に関わりたいからって此処に来てるんだろ!!全員前に来い!!!」
と、その場にいる全員を巻き込んでのパフォーマンスはまさに圧巻。まだまだ直射日光が厳しい時間だが、その場にいる全員が太陽を味方にするかのように踊り狂って音楽に身を任せる姿を見て、これこそまさにフェスの醍醐味だな、と思った。
その上「おい!!外で飯食ってるやつら、お前らも聴いてるんだろ!!」と、無料エリアまでを巻き込もうとしているのには驚いた。
勿論彼を構成しているのはそんな威勢の良さだけではない。
炎天下なのにどこにそんなパワーがあるのかと思うほどのパフォーマンス力と高い歌唱力、声量、パワー。ヴォーカリストとして必要な要素をしっかり持っていて、それをこうしてステージの上のここぞと言うところで発揮出来る素晴らしさ。
灼熱の中での『反抗声明』で響く、会場全体の「くそっくらえだ!!」の爽快さ。
音楽、ライブとは何たるかを改めて実感する時間だった。
シシド・カフカ
無料エリアで食とお酒を楽しみ、すっかり陽も落ちた午後7時10分。8番手のシシド・カフカさんのステージを見るため、再び有料エリアへ戻った。
音楽番組でしか見たことが無かったのだが、彼女の激しいドラムさばきとキュートな声のヴォーカルの良い意味でのギャップにとても興味があったので、この日生でライブが見れることをとても楽しみにしていたのだ。
黒い衣装に身を包み裸足でドラムセットに腰掛けた彼女は、ASH同様公開リハーサルを行ったのだが、夜とは言えまだまだ30度を切らない高温に、本編の前から汗だくでドラムを叩く。
「思っていた以上に暑いわね…湿度?海が近いし。もう汗だく。メイク一時間かけてやったんですけど…」
なんてぼやきながら必死に汗を拭っていたが、汗でどれだけメイクが流れようが長身美人には変わりなく、ステージ中央で圧倒的なオーラと存在感を放っていた。
「月が綺麗!!」とゴキゲンでドラムを叩き、挑戦的な視線で歌う姿はさすがのカリスマ性を感じる。
ドラムパフォーマンスもかっこいいのだが、思っていた以上に歌も巧く、あれだけ叩いているのによくピッチが狂わないものだと感心した。
本編のMCでは「実は、今年2ヶ月ほどブエノスアイレスへ勉強しに行ってました」と明かし、以前ブエノスアイレスの地でハンドサインシステムを使ったリズムイベントを観て衝撃を受け、これを日本に持って帰りたいと留学に踏み切ったと言うのだ。
実際その持ち帰ったリズムイベントを10月に開催するようなのだが、彼女のようなミュージシャンとしても女優としても知名度のある人でも、まだまだ新たな世界を吸収したい、日本に馴染みの無いイベントを広めたいというハングリー精神を持っていることに驚いたし、せっかくこの世でこうして命があって生きているのだから、彼女のような好奇心を持って新たな世界を吸収できる人間で在りたいと思った。
やはり音楽にはその人間の生き様が出る。
パフォーマンスもMCもすべてが刺激的なステージで、メキシコで生まれ、アルゼンチンで過ごした彼女の“音の楽しみ方”に益々興味を持つ時間だった。
さいごに
SHINくん初の野外フェス、動員こそまばらだったが、「成功」と言っていいだろう。
筆者はこう見えて(いや、どう見えているのか知らないが)フェス好きで、大型の音楽フェスに遊びに行くタイプなのだが、それでもこの日の暑さは身体に堪えた。
昨今日本の夏は恐ろしく暑くなっているので、今後こう言ったフェスの開催の仕方や時期も考えていかなければならないかも知れない。
ViViD時代からのファンである筆者にとって、「SHIN」というヴォーカリストは決して太陽の下が似合う人では無いイメージだったのだが、それも先入観のひとつだったのか、それとも「SHIN」が変わったのか、まさかの夏の青空とのマッチ具合には驚かされた。
今は薄暗いライブハウスへ歌を聴きに行くことが多いが、これからホールなどのステージ、そして日本武道館のようなアリーナクラスのステージで、いっぱいの照明を浴びながら広いステージを駆け回る姿を観てみたいと、改めそうて感じた。
この日彼が言っていた恵比寿リキッドルームのチケットはこの後すぐSOLD OUTとなったが、地方公演のチケットは残り僅かな会場もあるものの未だ入手可能なので、少しでも迷っている人は“夢の一歩”を目撃しに是非足を運んで欲しい。
最後にこのフェスを終えたSHINくんのTwitterより。
初野外フェスありがとうございましたー!!
— SHIN (@SHIN_20161224) August 25, 2018
途中から明らかにお客さんが増えたー!!!✨
初フェス楽しかったなー!
リキッドルーム残り21枚なんです
こんな涼しい感じの顔だけど人生かけて歌ってます!
9/4リキッドルーム 初めてとか一人とか関係ない!
引っ張るから!https://t.co/F9qxCyGnSs pic.twitter.com/4A8Mbr5kTz
マジ最高のメンバーだな。。
— SHIN (@SHIN_20161224) August 25, 2018
楽しい
来てくれたみんな
会場で初めて見てくれたみんな
呼んでくださった主催者様
本当にありがとうございました。
また会おうね! pic.twitter.com/frC8arT0NX
ここまで読んでくださったみなさま、ありがとうございました。
尚、全て一個人の曖昧な記憶であり、事実と異なる部分や勝手に記憶が脚色された箇所、個人的解釈による記述もあるかも知れませんが、どうかご了承くださいませ。
また、あくまで個人的感想によるものですので、感想や考え方の相違について異論や誹謗は受け付けておりませんことをご承知置き願います。
♥ 6月に行われたSHINくん初トリのスリーマンGROWIN' UPのライブレポートはコチラ ♥